シンプル飼育と人工飼育

最近、お客様からこんなメールを頂いた。
「ペットショップから購入したセキセイインコが二週間で糞の形がおかしい事に気付いたので、
それから鳥も診てくれる病院のはしご、 闘病生活に入りました、購入してから落鳥するまでは
2ヶ月でした。」 結局介護の甲斐なく二ヶ月ほどで死んでしまったそうです。
その後、インターネットで病気について調べると、いかに昔と今とでは病気は勿論、餌、環境、
繁殖、流通の事情が違うのかを思い知る事になりました…。 とのことでした。
この方は結婚前にも15年程セキセイを何羽も飼っていた経験がある方で、その頃は実に大雑把
な適当な飼いかたをしていたそうですが、皆元気で長生きしてくれたそうです。
15年も飼った経験があるなら、ベテランと言っても良いでしょう。
その方が、昔とは全く違う、何もかもが変わってしまったというのです。
「ふ〜ん、そうなのかなぁ。」もしそうだとしたら、シンプル飼育で良いのだとのんびりした事をいって
いる場合でもないのだなぁ、と思った次第です。

入手はどうしてもペットショップからの購入に頼らざるを得ないようですが、ショップで売られている
小鳥の九割が既に何らかの病気を持っている、とのことです。
「えっ、そうなんですか。」九割はオーバーとしても、もしそうだとしたら餌さえ替えればそれで良い、
というような単純な問題ではない様な気がします・・。
購入したらまず健康診断を受けるのが今の常識らしいです。
「えっ、それって新車を買ったらまず車検、ってな感じになりますね。」 あまりにもおかしい。
ちゃんと健康診断書の付いている小鳥を買うようにすれば良い、今時保障のない製品など存在
しないのだから、そんなショップから購入する事自体が間違っている。
ちゃんとしたブリーダーさんや、良心的な(この場合は販売時に健康診断書を付けるという意味)
ショップから購入すれば済むこと、というかまず第一歩なのではないかと思った・・。

インコの値段
ネットで検索してもなかなかこれだと納得できるブリーダーさんはヒットせず、やはりペットショップに
頼らざるを得ないのが現実のようです。
そこで遅まきながら今日(05/8/3)小鳥のネットショップを覗いてみてビックリした。
ボタンクラスが6千円前後、オカメで1万円程度、セキセイに到っては、千八百円である・・。
なんと安い、安すぎる! とても生きている生体の値段とは思えない。
この十倍位が適正価格ではないかと思う。 セキセイが¥1,800円ではこれは、もう物の値段である。
こんなものに診断書が付くはずがない。
ブリーダーさんもこんな価格ではまったく採算は合わないだろう。丈夫で良いヒナを育てたいと思っ
てもこんな価格ではとてもできはしないだろう。兎に角薄利多売で金をかけず、粗製乱造で作る、
まさに物のように作っていくしかないだろう。
小型のセキセイ類でさえ、十年以上の寿命を持つ生き物。私はペットショップから何か購入した事
はないが、こんなペット産業のあり方はちょっとおかしいと思う。
生き物に値段をつける事自体がどうかと思うが、現実問題として考えた場合、小型のフィンチ類で
2〜3万、中型インコで5〜10万位にするのが良いのではないかなぁと思う。
これならブリーダーさんもじっくりゆっくりと時間をかけて良いヒナが生産できるだろうし、家族の
一員としてお迎えしたいと考えている鳥飼いさんにとってもけっして高い買い物ではないと思う。
安物買いの銭失い、という言葉がある。今のままでは安くて病気の小鳥を買うものだから、その後
に病院代だなんだとかえって金がかかってしまうことになってしまっているのではなかろうか・・。

そんな中でも何とかしたい、と考える鳥飼いさん達も沢山おられる事と思いますが、数としては
けっして多くはないのでしょう。
小鳥をペットして飼う場合でも、可愛いからと何となく購入し、(値段も手頃ですしね)2〜3年飼って
病気になって死んだら、あぁ寿命だと思ってそれっきり。そんな感じで飼う場合がほとんどなのでは
ないかと思います。だからペットシヨップとしてもそのように対応しなければならないのでしょう。
どちらにしても大切な家族をお迎えするように、という体制にはなっていないのではないかと思います。
しかし、広い世の中なのだから、変わったブリーダーさんも必ず居るはず。
趣味で繁殖されている方も多いでしょうから、まずこうしたちゃんとしたところから分けてもらうという
ことにした方が、その後のインコライフもずっと楽でしょうし、購入した途端に病院通いでは、せっか
くの趣味が趣味でなくなってしまいます。
このように粗製乱造され、病気持ちの個体としてペットショップで売られている小鳥達、これを
何とかしたいというのが意識の高い鳥飼いさん達の共通の悩みなのでは、と気付きました。
やはり、現時点においては、昔ながらのシンプル飼育でよい、とのんびりした事を言っている場合
ではなく、人工飼育にならざるを得ない場合が多いという事なのでしょう。

人工飼育
人工飼育といってまず思いつくのが、動物園のライオンかな。
私は勿論飼育家ではないが、素人の私でも狭いオリに閉じ込めて飼育するライオンの場合には
やはり難しいだろうなという事は容易に想像できる。走り回れる事もなく、飼育係が与える餌を
食べて後は寝そべっているだけである。気候条件の問題もあるだろうし、病気になるのも当たり前
という気がする。
ライオンは野生動物だから又別物であるけれど、人間に飼い馴らされてきた動物として家畜の
存在がある。家畜とは人間の都合によって利用する動物である。
最後には殺されて人間に食べられてしまうのだから何とも可哀相なことであるが、生産現場に
おいては、これはもはや生きている動物でなく、経済的な効率性が優先される。
趣味で飼っているわけではないのだから当たり前であるが・・。
代表的なものは鶏のゲージ飼いであろう。卵産みマシーンとしてせっせと卵を生み続けなければ
ならない。産卵率がちょっとでも落ちるとすぐ食肉処理される。太陽も当たらない鶏舎で短い一生
を終える。勿論伝染病にかかっては大変だから鶏舎の消毒はかかせないし、食べさせる配合飼料
にはありとあらゆる薬剤が配合されている。まさに畜産は人工飼育の先端を行くものである。
小鳥も愛玩するための家畜と考えると、人間世界の方に引き込まれてしまった存在でしょう。
動物園で生まれたライオンの子供を今更アフリカのサバンナには帰せないのと同じように、ペット
としての鳥達も人間が何とか面倒を見ていかないとならないでしょう。
自然の状態に近ずけて飼育するというわけにもいかないことですから、どうしても人工飼育で
行かざるをえないという事になってしまうのでしょうね。

窒素ガスを充填したシードというものがあるそうです。
お茶などを封する場合に空気の変わりに詰めたりして酸化防止に使われる事が多いようです。
今は空気の変わりにタイヤに詰める事もあるくらいで、空中にも存在するごくありふれた気体です。
保存食品用に利用される事が多いのは、酸化を防ぐ為で、空気を遮断すると(真空パックも同じ
考え方です。)物の劣化を防ぐことができるからです。
お茶やジュース等に利用する場合は何ら問題はないでしょう。長く持った方が良いに決まっている
からです。では、これをシードに利用した場合はどうか、という事です。
かび・ウイルス・菌などと呼ばれる微生物たち。この微生物には二種類あります。
好気性のものと嫌気性のものとです。つまり空気(酸素)を必要とするものと、嫌うものです。
嫌気性菌とは、地球にまだ大気がない頃に活躍していた菌たちで、別に死滅したわけではなく、
今は地中深くとか、海中深くの空気のないところでひっそりと生きているわけです。
ですから、普通の生活圏内に居る菌は、種類を問わず全て好気性菌です。いくら細菌・バクテリア
といえども、空気(酸素)のないところでは生きて行けないのです。
では、窒素ガスに充填された空間はどうか? 勿論酸素がないわけですから細菌といえども
死に絶えてしまうわけです。別に窒素自体は毒でも何でもないので、窒素ガスで消毒殺菌する
というのは、実に安全な方法であると言えると思います。
しかし、細菌でさえ死に絶えてしまう空間なのですから、当然の事に種子も死んでしまうわけです。
あくまでも生きていて芽を出すからシードです。わざわざ生きているシードを窒素ガスに閉じ込めて
殺してしまうと言うのは本末転倒した話です。何でこんな事をするのかなぁ〜? 
結局は種子の命よりも鳥の安全性を重視するという考え方なのでしょう。
ほとんどの鳥が病気持ち、潜在的な虚弱体質である、という事ですからこのような処理をせざるを
得ないという事なのでしょう。
サプリだ、小鳥専門の病院だ、等々何故そんなに大騒ぎするのかなぁと不思議に思っていました
が小鳥の生体を含め、そのようにしなければならない飼育環境にあるのだということなのですね?
そんな中で、せめて食べるものは無農薬で安全な物を食べさせたいという事で、検索して当店に
辿り着く方もいらっしゃるわけなのでしょう。 なんとなくだんだん解ってきた様な気がします。

  今日は雨降で畑仕事は休みです。ちょっと気ずいた事を書いてみました。
  以下の項目について順次更新して行きたいと思っています。
  ただし、雨降の日に限りますので、ちょっとずつ更新していきます。 (05/8/3) 

 追記 (05/8/4)

昨日UPしたところ早速ご連絡を頂いた。
「この値段はまだマシです。一番悲劇が起こるのは、ホームセンターや大型量販店等で多く売ら
れている九八〇円のセキセイです。」
「えっ、980円って あなた! そんな値段で売っているんですか!」
私はペットショップなるものに行った事がないので知りませんでしたが、はっきりいってびっくりしました。
だけどこんな値段ではショップも店員も責任の取りようがありませんね。私が店員でも何とも仕様
がないと思います。 「死んだなら新しいの買えば」っていうような世界ですね。
この値段で健康な小鳥を売れと要求するのもかなり無理があるでしょう。
「とりあえず飼ってみて死んだら又あたらしいの買えばいいじゃん。」これが常識なのでしょう。
だから鳥が大好きな方はこんなことでいいのか!と憤慨するのでしょうし、不憫に思って可哀相で
つい購入してしまうという事にもなるのでしょうね。
しかし、ペット産業もネットオークションにしても金の絡むビジネスの世界です。
こうした世界に対して生命の倫理観とか、可哀相とか感情の部分を持ち込んでも仕方がないことです。
勿論ひどい事ではありますが、畜産の世界はもっとひどいでしょう。大切に育てて太らせてから
殺して喰っちゃうわけですからね。普通はこうした生産現場を見る機会はありませんから、スーパ
ーにきれいにパックされている肉を見てもただの食品としてか見れませんけれど、もともとは生きていた動物ですからね。ペットは殺したら可哀相だが家畜は殺しても良い、という理屈にはなりませんね。
でも食肉は産業として確立した世界ですから、家畜反対とか動物愛護とか言ってみても仕様が
ない事なのです。焼肉にして皆喜んで食べているわけですからね。
ペットショップで物の様に扱われ売られていく小鳥達、確かに悲しい現実ですね。
皆がこうした事(ショップからの購入)を止めれば、当然この世は需要と供給の関係で成り立ってい
るわけですから、徐々になくなっていくでしょう。
良心的なブリーダーさんから直接分けてもらったり、個人の繁殖家の方から里親として貰いうけた
りという方法が主流になれば、よりよき方向に向かっていけるのではないかと思います。
少なくとも粗製乱造がなくなれば、それだけ悲しい運命になる小鳥達の命を救う事ができます。
小鳥もお金と交換するのではなく、愛鳥家同士の愛情で交換する方向に進めば良いのではないか
と思います。今は便利なインターネットがありますからね。ショップに頼るしかないという時代では
ありません。里親さんを募集しているサイトも沢山あるのですからこうしたところから分けて頂くの
が一番なのではないかなぁと思います。
兎に角、ペットショップから購入した小鳥の飼育がとても大変なものであるらしいという事は少し
解ってきました。 

 追記 (05/8/5)
なかには良心的で安心できるペットショップもちゃんとあるそうです。
確かにおかしな所ばかりでは困ってしまいますよね。
更にこんなお話も伺いました。「ペット先進国のアメリカではペットショップに生体は置かないそうです。動物虐待になるそうで、欲しい人はショップにブリーダーさんを紹介してもらえるのだそうです。」
ヘェー! 初めて聞きましたが実に合理的というか、良い方法ですね。何故日本もこうならないのでしょうか? ショップも紹介料というかコミッションをもらえば良い事ですからちゃんと成り立っていくような気がします。

このコーナーは小鳥の飼育について考えていくわけではありません。
鳥飼いでもない私がアレコレ言ってみても仕方がないことですから。
でも色々とお聞きしていくと、飼育環境には様々な問題があるようです。
こんな中にあって、無農薬栽培の雑穀を提供する事がお役に立つのか?
それを明らかにしておきたいという意図です。
提供する側の考え方というものも明確にしておく必要もあるのでは、と考えています。

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